book166(有給休暇を使うと皆勤手当は無い?)




■有給休暇は「休み」なのか「出勤」なのか。


ご存知のように、皆勤手当とは、個人の都合で休まずに出勤した場合に支給される手当ですよね。


では、ある月に有給休暇を取得したとすると、その月には皆勤手当は支給されないのでしょうか。それとも、支給されるのでしょうか。




法律では、「有給休暇を取得した日は出勤したものとして扱う」と決めていますが、そのルールは会社独自に作った皆勤手当にまで影響を及ぼすと考えるべきなのでしょうか。


ご存知のように、有給休暇の出勤率を計算する時には、有給休暇を取得した日は出勤したものとみなされますね。

では、皆勤手当を支給するときには、有給休暇を取得した日は出勤したものとみなすのでしょうか、それとも出勤しなかったものとみなすのでしょうか。



「有給休暇を取得した日は出勤したものとして扱う」という取り決めは、あくまで「法律内」のルールであるとして扱えば、有給休暇の取得は皆勤手当に影響しないという結論になります。


しかし、「有給休暇を取得した日は出勤したものとして扱う」という取り決めは、「法律外」にまで拡大して適用すると考えれば、有給休暇の取得は皆勤手当に影響するという結論になりますよね。


では、どちらで判断すべきでしょうか。







■会社が作った手当なのだから、会社がルールを決める。


結論を言えば、有給休暇を取得したという事実を皆勤手当に影響させても良いですし、影響させなくても良いです。


皆勤手当は会社独自に設定するもの(皆勤手当がある会社もあれば、ない会社もある)ですから、そのルールも会社独自の内容になります。


ならば、「有給休暇を取得した月は皆勤手当を支給しない」というルールはアリということになりますよね。

それと同時に、「有給休暇を取得した月であっても皆勤手当を支給する」というルールもアリです。



皆勤手当をどういう条件で支給するかどうかは会社の制度設計によります。


例えば、100%出勤していなくても、90%の出勤で皆勤手当を支給するという方法も有り得ます(緩い条件で支給する)。

他にも、1ヶ月ではなく、2ヶ月の通算で100%出勤していた場合に皆勤手当を支給するという方法もありますよね(1ヶ月だけ皆勤でも皆勤手当は支給されない仕組み。厳しい条件で支給する)。


確かに、法律では、有給休暇は出勤したものとして扱うのが原則ですが、その原則の適用範囲は「法律の内部まで」であって、会社独自に決めた皆勤手当(法律の外部)には影響しないと考えるのが妥当です。

 

山口正博 社会保険労務士事務所
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