book165(社会保険料を削減することは給与を削減することと同じ)






■コスト削減で万歳?



ご存知のように、社会保険料を削減すると、経費を抑えることができます。


社会保険は、大きく見て「健康保険と厚生年金」の2つから構成されます(今回は、介護保険等は除外して考えます)。


300,000円の給与だと、社会保険料はおよそ(全額で)75,000円ぐらいになるはずです。

このように、支出項目として大きなものですから、削減する余地も大きいと考えるわけです。



ただ、社会保険料は社員さんの給与ですから、「社会保険料を削減しますよ」と言われれば、「給与を削減しますよ」という意味と同じと考えるべきではないかと私は思うのです。








■税金と社会保険料は違う。


「節税」と「社会保険料の節約」を同列に考える人もいますが、私は同列に考えることには反対です。

なぜならば、「影響度の違い」があるからです。



つまり、税金を節約しても、社員さんに影響は及びません(間接的には影響があるかもしれませんが)。

一方、社会保険料を節約すると、社員さんに影響が出ます。

影響とは、厚生年金の受取額が減るという影響です。



健康保険の保険料は、高くても低くても、自己負担割合は(原則として)3割です。

保険料をたくさん払っているからといって、自己負担割合が2割や1割にはなりませんよね。

所得の高い人はむしろ負担割合が上がり得るのが健康保険ですから、健康保険料は低い方が有利ではあります。



しかし、厚生年金は保険料と受取額が連動しますので、保険料が低い方が有利とは言えません。

今の保険料が将来に持ち越されて支払われるわけですから、給与の後払いと考えることもできます。

ゆえに、社会保険料(厚生年金の保険料)を減らすと、給与を減らすことに繋がるんですね。




もし、会社が社会保険料を削減しようなどと動いていたら、「あぁ、給与を減らすんだな、、」と考えて間違いはありません。

 

山口正博 社会保険労務士事務所
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