book151(時間単位の有給休暇は「可能」です)


■半休は良くて、時間有給はダメ??


未だに、「今現在では、時間単位で有給休暇を使うことはできません」という人がいますね。

本当でしょうか?


本当に時間単位で有給休暇を使うことはできないのでしょうか。


現状では、半日有給休暇は可能ですよね。
しかし、時間単位の有給休暇はダメなのでしょうか。

この両者を分ける基準は何なのでしょう。

半日ならば良いが、時間単位はダメという基準はあるのでしょうか。


時間単位がダメならば、半日単位もダメになるべきなのではないでしょうか。

しかし、片方はダメで、もう片方は許されているわけです。


不思議な状況ですよね。








■時間単位有給の先行事例はある。


結論から言えば、「時間単位で有給休暇を使う」ことは可能です。


その理由は2つあります。

1、半日と時間単位を分ける基準が無い。
2、時間単位の有給休暇を採用している企業が現実にある。

以上の2点により、時間単位で有給休暇を使うという結論を導きます。



中には、「改正労働基準法が試行されれば、時間単位の有給休暇が可能だが、今現在はできない」と言っている人がいますが、それは違います。

何も改正労働基準法を使わずとも、時間単位の有給休暇は可能です。


1つ目の理由は先ほど説明しました。

「半日は良くて、なぜ時間単位はダメなのか」という点について理由がありません。

また、時間単位の有給休暇を否定するならば、半日単位での有給休暇も否定すべきです。

しかし、現実には半日だけが許されてしまっています。



2つ目の理由については、TOTO株式会社の採用事例があります。

2008年8月11日月曜日、日本経済新聞日刊11面にて、時間単位の有給休暇について書かれています。

日経新聞の内容については、図書館に置いている新聞のバックナンバーや、日経テレコン21で調べると分かります。

小さな記事ですから、ザッと目を滑らせていると、見過ごします。



このように、時間単位の有給休暇については、すでに企業で採用されています。




確かに、時間単位で有給休暇を使うのは、本来の有給休暇制度の趣旨に照らすと好ましくありません。

労働基準法では、有給休暇は1日単位で使うことが想定され、1日かけて休むことにより、心身のリフレッシュをするというのが有給休暇制度の趣旨です。

ですから、趣旨から考えれば、時間単位だけでなく半日有給休暇も好ましくないんですね。



ただ、「趣旨に合わない(趣旨に照らして好ましくない)=法的にダメ」というわけではありません。


「趣旨に合わない」ということと、「法的にダメ」ということを混同してはいけません。


ここでは、「禁止まではしないが、趣旨に合わないので好ましくはない」という理解をするのが妥当です。


 

山口正博 社会保険労務士事務所
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