book146(給与を増やすために有給休暇を使う人たち)



■勤務日ではない日に有給休暇を使って、給与アップ?


例えば、ある会社に、週3日で勤務するパートタイム社員さんがいるとします。

また、金、土、日の3日が出勤日で、それ以外の日は休みと仮定します。



そこで、月曜日を有給休暇にして、金、土、日は通常通りに勤務したとします。


この場合、1月の給与額は、通常時よりも有給休暇の分だけプラスされますよね。


本来ならば、金、土、日だけが勤務日ですから、給与も金、土、日に対してだけ支給されるわけです。

しかし、有給休暇を使えば、ちょっとだけ給与を上乗せできるんですね。



ただ、休みの日に有給休暇を使うのは、本来の有給休暇の使い方ではありません。

勤務日を対象として有給休暇は使えますので、休みの日に対して使うことはできないのが原則のはずです。



しかしながら、禁止するほどのことかと言うと、そうでもありませんよね。

有給休暇中の賃金は会社が払うのですから、休みの日に有給休暇を充当することを法的に禁止する必要はありません。



では、有給休暇を使って給与をアップしてもよいのか、それとも、ダメなのか。

どちらでしょうか。









■会社が許すかどうかで全てが決まる。


結論を言えば、有給休暇を使って給与をアップしてもよいのかどうかは「会社次第」です。


休みの日に有給休暇は使えないと断ることは可能ですし、一方で、どの日に有給休暇を使っても構わないと許すことも可能です。



ただ、場面ごとに取り扱いを変えるのは事務処理が負担です。


そこで、取り扱いを標準化するために、ルールを作っておこうと考えると、

「有給休暇の取得は、勤務予定日に限ります」という制約を就業規則で決めるのはいかがでしょうか。

つまり、休みの日には有給休暇を使えないということを事前に決めてしまうのです。



上記の内容は働く人の権利を制約するルールになっていますが、通常の有給休暇とは違い、休みの日に有給休暇を使うことは権利ではありませんから、制約を加えることは構わないわけです。

権利を制約すれば権利の侵害ですが、権利ではないものを制約しても権利の侵害とはならないのですね。



「有給休暇と言えども無制約ではない」ということは、ぜひ知っておきたいポイントです。




山口正博 社会保険労務士事務所
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