book130(過払いの交通費を返還してもらう)




■住居が変わったが、会社の連絡ミスで手続きをしていなかった。


ある社員さんの例として、

以前の住居からの通勤では、1月8000円の交通費が支給されていた。


その後、新しい住居に引っ越して、交通費が1月5000円で済むようになった場合。


本来は、通勤環境の変化があったのですから、交通費の支給額も変更しなければいけませんよね。


ところが、会社の案内ミスで、交通費の支給額を変更するための手続きを実施しておらず、1年にわたって8000円が支給されてしまった時には、どのように対応するのが妥当でしょうか。



確かに、社員さんの不正受給なのですが、会社にも原因がありますよね。


会社としては、「全額返還せよ」と言うでしょうし、
社員さんとしては、「会社のミスだからイヤだ」と反論したいところです。


となると、この両者を調和させる結論が必要になりますね。








■減額と分割払いで妥協案を提示する。


不当利得や、場合によっては詐欺罪などと考えると、裁判を使うということにもなるのでしょうが、今回の場合は裁判をする場面ではありません。


今回問題となっている過払い通勤費の総額は、
3000円(過払い通勤費)の1年分ですから、36000円です。


たった、36000円の取り返しのために、裁判を使うというのは通常はありえません(個人間でも裁判など使いませんよね。ましてや法人だと尚更です)。


また、内容証明郵便を使うというのもどうでしょうか。


裁判でも内容証明郵便でも、時間と費用が発生しますから、おそらく36000円を超える負担が発生するのではないでしょうか。




今回の場合は、会社のミスを勘案して、過払い交通費から2割ほど減額して、残りを10回払いなどのように分割で払ってもらう方が解決は早いはずです。


会社から譲歩して社員さんと対応すれば、さほど時間はかからないかもしれませんよね。




山口正博 社会保険労務士事務所
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