book118(有期雇用契約を更新すると有給休暇は消える?)





■6ヶ月到達前に契約を更新して、有給休暇を回避している。



中には、有期の雇用契約を締結して、6ヶ月に到達する前に次回の契約更新を行い、有給休暇が付与されないようにしている会社もあるのではないでしょうか。



有給休暇の制度では、6ヶ月を経過すれば、10日(比例付与ならばもう少し減ります)の休暇が付与されます。

そのため、6ヶ月に到達する前に雇用契約を更新すれば、新たな契約の始まりとして、勤続期間がリセットされることを会社が利用しているんですね。


ただ、契約更新といっても、以前の契約内容とほぼ同等であり、契約と契約の時間的な間(旧契約から新契約までの時間差のこと)もあまり無いにもかかわらず、有給休暇の勤続期間だけリセットするのは卑怯な方法ですよね。


働く側にとって、このようなズルい取り扱いには納得がいきませんよね。








■「事実上、雇用契約が継続しているかどうか」が判断のポイント。



事実上、以前の契約が実質的に継続していると判断できるならば、有給休暇の勤続期間はリセットされません。


旧契約と新契約を比べて、「契約内容がほぼ同じ」であり、「旧契約から新契約に切り替えるまでの時間差がほとんど無い」ならば、勤務は継続しているとするわけです。


ちょっとだけ間隔を置いて契約を更新して、新規の契約を偽装することはダメだということです。



ただし、有期雇用契約を複数回繰り返すことで、雇用契約が期間の定めのないものに転換するとまでは言えません(ここは意見や判断が分かれるポイントです)。




もちろん、契約内容が全面的に変わるとか、旧契約から新契約に切り替えるまでの時間差が数ヶ月に及んでいるならば、勤続期間は切断されることもあります。



有期雇用契約の勤続期間が継続しているかどうかという点については、客観的な基準に乏しいですから、「実態で判断する」しかありませんね。

山口正博 社会保険労務士事務所
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