book111(変形労働時間制は「予定」がキモ)






■そんな気軽な仕組みではない。


「変形労働時間制度を使えば、今日に9時間働いて、明日に7時間働いたとすると、残業時間は0時間になるのでしょうか?」などという質問をする人もいますね。

何とも、遠からず近からずな理解です。



「今日遅くなったから、明日は早退していいよ。だから、今日の時間外手当は無しで」

こんなやり取りを許すのが変形労働時間制だと考えているとしたら、それは違います。


変形労働時間制度は、【1ヶ月間の勤務予定を立てて、その予定通りに勤務したら、1日8時間1週40時間の枠を緩和してあげます】という制度です。


ですから、決してそんなお気軽な仕組みではないのです。






■予定通りに勤務できるかどうかがポイント。


例えば、

10日は7時間勤務。
11日は9時間勤務。
12日は11時間勤務。
13日は5時間勤務。


という様に、あらかじめ時間外勤務を含めた勤務予定を立てて、その予定通りに勤務すれば、1日8時間1週40時間を超えても手当が発生しないということです。

もちろん、1ヶ月間の総労働時間の枠を超えるような予定を立ててはいけませんよ。



例えば、10日は7時間と予定していますが、9時間勤務すれば1時間の時間外手当が出ます(8時間までは時間外手当は不要)。

11日は9時間までならば時間外手当が出ませんので、10時間働いたら1時間の手当が出ます(予定外の時間外には手当が必要)。



ところで、12日に(予定では11時間勤務のところ)8時間しか働かなかったからといって、他の日に余った3時間分を回すことはできません。

この3時間分を他の日に繰り越して、3時間分だけ手当無しで時間外勤務を可能にしようと画策しても、ダメです。

なぜならば、「予定していない勤務」だからです。



上で書きましたが、

変形労働時間制は、【予定を立てて、その予定通りに勤務すれば、時間規制を緩和してあげる】という制度でしたよね。

予定に無いことをすれば、時間のルールは原則通り(1日8時間1週40時間)になります。

山口正博 社会保険労務士事務所
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