book94(休業手当を支払わずに休業した会社にとって助成金はメリットがない?)



■助成金を受け取ると損をする?


時に、「雇用安定助成金(中小企業緊急雇用安定助成金)を使っても会社に利点がない」と判断する会社があるようです。


もし、無給の状態で社員さんを休業させている状態であった場合に、雇用安定助成金を使うとなると、「休業手当 - 助成金 = 会社負担」という数式に基づいて、会社負担が新たに発生します。


つまり、今まで、給与を支払わずに休業を実施している会社にとっては、助成金を使うことで今まで不要であったキャッシュアウトが発生するわけですから、「助成金にメリットがない」と判断するようです。



確かに、今まで無給で休業させていたのに、助成金を使うとなると休業手当が必要になり、その一部が会社負担になりますから、ならば何もしないほうが良いと判断してしまう会社もありそうです。







■休業しても給与が必要であることを知らない会社。


まず、休業を行うときは、いわゆる「ノーワーク・ノーペイ」の原則は使えません。


無給で休業している会社は、おそらく、「仕事をしていないのだから、給与は支給しなくても良いでしょう?」と考えているのでしょうね。


確かに、シンプルで理に適った判断です。


しかし、労務管理としては間違いです。



まず、「社員さんの都合で休んだ場合」はノーワーク・ノーペイで構いません。

病気で休んだとか、怪我で休んだとか、個人的な都合で休んだという社員さん個人の都合で休んだとなれば、確かにノーワーク・ノーペイの原則で対応して良いでしょう。



しかし、会社の都合(仕事が減ったなど)で休んだ場合は、仕事をしていなくても給与が必要(労働基準法26条)ですから、会社が「ノーワーク・ノーペイ」と主張して給与の支払いをしないというわけにはいかないのです。


「休業」と「休日(休み)」は別物です。



休ませるのもタダではないのが「人」なんですね。


山口正博 社会保険労務士事務所
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