book93(退職金を計算する際の「専用の基本給」を設ける)







■基本給と退職金のリンクを切り離す。


退職金には、法律による客観的なガイドラインがありませんので、各企業ごとに制度の内容を組み上げることができます。


まず、退職金があるかどうか、また、退職金があるとしてもどんな内容なのか、企業ごとにバラバラです。


「保険で資金を積み立てて退職金の財源に充てる」

「各種退職金共済を使う(中小企業退職金共済、特定退職金共済、建設業退職金共済、清酒製造業退職金共済、林業退職金共済 .etc) 」


「確定拠出年金による積立て」

「確定給付企業年金による積立て」


などなど、会社ごとにバリエーションは広がります。



基本給を軸にして退職金の計算を行うことが多いですので、
基本給の取り扱いを決めると、それに連動して退職金の取り扱いを決めることになるわけです。

ただ、基本給にリンクした退職金だと、内容のコントロールがしにくく、容易に基本給を上げることも難しくなりますよね。


そこで、基本給と退職金が連動しない(もしくはあまり影響し合わない)ように設定することを考えるわけです。






■退職金用の基本給を隔離する。


「退職金を計算する時のための基本給」を設定しておくというのも1つの案です。


「退職金を計算する時のための基本給」とは、通常に支給される基本給の一定割合を、退職金の計算として分離するというものです(一定割合だけでなく、定額割合で分離するのもアリです)。


例えば、①の内容を、「基本給の70%」と決めたとすれば、
基本給30万円とすると、21万円となります(この数字が退職金を計算するためにプールされるわけです)。

実際に支給される基本給は、30万円ですが、9万円分だけは退職金の計算に影響しないという扱いになるんですね。



では、何故、基本給を分離するのかと言うと,

基本給にリンクした退職金だと、基本給が膨らむとそのまま退職金も膨らんでしまうため、その対策として「基本給の膨らみを緩和する」のが目的ではないかと私は考えます。

勤続年数に応じて基本給が増加する給与体系になっていると、退職金もそれに連動して増加するわけです。



「通常の給与と退職金は分離して取り扱いたい。という会社には向いている仕組みなのかも知れません。


ただ、基本給をベースに退職金を組み上げるよりも、仕組みが複雑になるかもしれませんので、その点はデメリットかもしれません。


山口正博 社会保険労務士事務所
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