book90(就業規則を意図的に閲覧させないのは違法か)






■コピー不可、文字を小さく、金庫に保存、、。


本来、就業規則は、いつでも「読める」もしくは「見れる」状態にしておくのが原則です。


例えば、社内のイントラネットに就業規則のPDFファイルをアップして、常に閲覧できるようにして、必要に応じてプリントアウトもできるようにしている企業もあります(大きな企業に多いです)。


また、社内イントラネットが無い企業ならば、メーリングリストでPDFファイルを配布するのも一考ですし、他にも、就業規則をプリントアウトしてファイルに綴じたものを、タイムカードの打刻機のそばに配置するというのも便利ではないでしょうか。


要するに、【いつでも「読める」もしくは「見れる」状態】が実現していれば、方法は限定されていません。



しかし、会社によっては、就業規則をコピーすることを不可にしたり、就業規則を読みにくくするために文字を小さくしたり、または、作った就業規則を金庫(特定の人しか開けられない)に入れておくこともあるようです。


このような対応をしてしまうと、【いつでも「読める」もしくは「見れる」状態】が実現しませんので、困るわけです。








■違法と断言できる程度ではないが、嫌がらせではある。


「キチンと労働基準監督署に就業規則を届け出ているから、あえて見せなくても不都合はないんじゃないの?」と考える方もいらっしゃるかもしれませんね。


しかし、就業規則の届出はあくまで「形式的な届出」です。


「届け出れば万事良し」というわけではなく、作った就業規則に基づいて、実際に労務管理するのが本来の目的です。


例えば、スポーツをプレイする場合を想定すると、
「ルールを教えていないのに、ルールに従え」とは言えませんよね。

サッカーを例にすれば、オフサイドというルールを選手に教えていないのに、オフサイドだからダメとは言えないということです(ここでは、選手の勉強不足という場面は想定していません)。


話を戻すと、就業規則のコピー不可をとしたり、就業規則の本文の文字を小さくしたり、就業規則を金庫に保存しているとしても、ただちに「違法」とまで断言できる行為ではありません。

単に閲覧させていないだけであって、実際に何らかの損害が出ているわけではないので、違法と指摘しにくいところです。

しかし、「会社による社員さんへの嫌がらせ」という判断はできますから、
トラブルの元になることは有り得ます。



「ルールを相手に教えてこそ、その効果を主張できる」ということは是非とも理解して欲しいですね。

山口正博 社会保険労務士事務所
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