book87(休業中でも有給休暇は使えるが、それは「権利」ではない)





■「休業しているならば有給休暇は使えない」のが正しい理解。


「休みの日には有給休暇は使えない」ということは多くの方がご存知のことだと思います。

「本来の労働義務を免除して心身をリフレッシュする」のが有給休暇の趣旨ですから、休みの日には有給休暇は使えないという理解は正しいです。


しかし、「休みの日に有給休暇を使っても構わない」と会社が許せば、事情は変わります。


労働基準法は、休みの日(休業日も含む)に有給休暇を使うことを無条件で禁止しているわけではありません。

つまり、労働義務が無い日に有給休暇を使うのは、有給休暇制度の趣旨に合わないので「好ましくない」と労働基準法では考えているわけです。






■会社内の自主的なルールで決めて良い部分もある。


近頃は、「休業補償を貰っているが、有給休暇を重ねて使うことはできないのですか?」という疑問を持つ方も少なくありませんね。

休業補償は原則として収入の60%(80%程度支払う会社もあります)ですから、残りの40%を補填するために有給休暇を使いたいと思う人がいるのも無理はありませんよね。

ですから、休業補償に有給休暇を重ねたいという希望はよく分かります。



しかし、「仕事をする必要がない日に有給休暇を充当することはできない」というのはやはり原則として考えなければいけません。

ただ、社員さんの「休業補償に有給休暇を重ねて収入を安定させたい」という希望を会社が考慮して、休業日に有給休暇を使うことを認めれば、上記の原則通りに対応しなくても構いません。

確かに、労働基準法上は、「好ましくない」対応なのですが、「法的に禁止」とまではされていません。

注意点としては、休業補償に有給休暇を重ねるという処理は社員さんの権利に基づいて行われるものではない、ということは理解しておく必要があります。


あくまで「会社の任意」で処理を行うかどうかを判断すべきことですから、社員さんから求めることはできません。


山口正博 社会保険労務士事務所
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