book80(5分の遅刻で30分カットの減給制裁)






■「根拠あり」と「根拠無し」。


5分だけ遅刻した場合に、30分に相当する勤務時間をカットするというペナルティを課す会社があるとします。

遅刻したのだから、何らかの罰があるというわけですね。


一般に、減給制裁となると就業規則等による根拠が必要です。

労働基準法91条に決められている通りです。


ところが、30分単位や15分単位で時間管理していると、減給制裁という体裁を取らずとも実質的に減給ができてしまいますよね。

つまり、根拠無く減給制裁を行ってしまうこともできるというわけです。

同じことを行うのに、一方では根拠が必要で、また一方では根拠が(実質的に)不要となっていますね。






■根拠も無く減給制裁はムリ。


減給制裁は就業規則に根拠が必要である、ということは確かです。


もちろん、労働基準法91条の範囲内で制裁を実施しなければいけないのは言うまでもありません。


もし、15分単位で時間管理しているならば、15分カットの制裁にした方が締まりは良くなります。

ですので、5分の遅刻ならば、15分のカットが妥当な制裁ではないでしょうか。




ただ、減給制裁ではなく、30分単位で時間を管理している会社だと、5分の遅刻で必然的に30分をカットするかもしれませんが、この点については判断が分かれています。


一方では、事務処理の負担を軽減するために、15分や30分の単位での時間管理も「許す」という判断があります。

しかし、また一方で、15分や30分の単位で時間管理をすると、少ないながらも賃金の未払い部分が生じるので、1分単位で管理すべきという判断もあります。


より適正な扱いをするならば、当然に後者の判断が妥当です。

ただ、前者のような処理を行ったからといって、直ちに違法とはならないのもまた事実です。


1分管理といっても、「時給」を「分給」に換算して計算するだけですから、さして事務処理の負担になるとは私は思えませんが、いかがでしょう。


山口正博 社会保険労務士事務所
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