book70(休業と有給休暇は別枠で取り扱う)


■休業にしたいから有給休暇を使わないでほしい?


雇用安定助成金を使っている会社では、「助成金のために、有給休暇を使わず、休業にして下さい」という要望が出るところもあるようです。


有給休暇を使うと、その日は休業ではなくなり、また助成金(中小企業緊急雇用安定助成金)の対象からも外されるという判断からなのでしょうが、本当でしょうか。


確かに、有給休暇を使って、さらに休業手当も上乗せで受け取れば、日給の支給率は100%を超えますので、有給休暇と休業をセットで取り扱うことはできないとも思えます。

しかし、有給休暇を使ったからといって、休業の事実は変わらないのですから、有給休暇と休業をセットで取り扱うのも支障は無さそうですよね。


そこで、有給休暇と休業は併存できないのか、それとも併存できるのかが疑問となります。






■休業の助成金と有給休暇は競合しない。


端的に言えば、休業日に有給休暇を使うことは可能ですから、有給休暇と休業は併存できるという結論になります。


ただ、原則として、休業となっている日は労働義務がないのですから、有給休暇を使う余地はないと判断するはずですよね。

しかし、会社が許せば、休業日に有給休暇を使うことは可能ですので、有給休暇と休業は併存できるわけです。


また、有給休暇と休業を組み合わせると、助成金が支給されないということにはなりません。

雇用安定助成金は、「休業の事実」と「休業手当を支払ったという事実」に対して支給される助成金ですから、有給休暇の利用の有無は考慮されません。


確かに、有給休暇を使うと、一定額の給与が支給されます。

しかし、「有給休暇の賃金」と「支給される助成金」との間の調整は行われません(現状では)から、お互いに影響は与えないというわけです。

そのため、有給休暇の賃金と休業手当を合わせて2重で受け取ることも可能になります。


ゆえに、「休業と有給休暇は別枠で扱う」のが正しいということになります。



追記(2009年4月29日付)


上記の内容について、「有給休暇と雇用安定助成金がお互いに影響を与えない」という意味の記述がありましたが、正しくありませんでした。

有給休暇を利用した場合、その休暇の日は休業とはならず、助成金の対象にはならないというのが正しい内容です。


具体的には、助成金が絡まなければ、休業と有給休暇は組み合わせることが可能ですが、助成金が絡むと、休業と有給休暇を組み合わせることができなくなるということです。

訂正させていただきます。


山口正博 社会保険労務士事務所
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