book66(有給休暇を事後的に申請をしても良いか)


■事前に申請するのが原則ではある。


有給休暇を使いたい時には、有給休暇の取得申請をするかと思います。

この取得申請は口頭でも文書でもどちらでも構いませんが、有給休暇を
利用する前に申請するのが通例ですよね。


ただ、パートタイム社員さんの中には、今月の勤務日数が少ないので、事後的に有給休暇を割り当てて給与を増やしたいと考える場合もあるようです。


例えば、通常だと月20日勤務になっているが、今月は18日しか勤務していないので、2日分だけ有給休暇を割り当てるということです。

このように処理すれば、先月と今月の給与差を縮めることができますから便利だと考えるようです。


そこで、事後に有給休暇を申請するのは許されるのかどうかが問題となります。







■法律では制約していない。


労働基準法では、有給休暇の付与条件や日数、計画的付与や時季変更権についてはルールとして決めていますが、休暇の申請時期については何らの制約も課していません。

となると、事前に申請しても、事後に申請しても、有給休暇としては認められるということです。


そこで、「法律で決めていないことは会社で決める」という流れになります。

つまり、会社の任意で、事後申請の有給休暇を認めるか認めないかを決めることになります。



しかし、有給休暇を事後的に申請されると、人事予算をオーバーする職場もあるかもしれません。

課や部署、または事業部やプロジェクトごとに人事予算がタイトに決められている場合には、事後的な有給休暇の利用は制約しなければいけませんよね。


ただ、制約となると、「有給休暇は権利だから制約できない」と考える人もいるかもしれません。

確かに、有給休暇は社員さんの権利です。

しかし、通常の利用範囲では権利なのですが、例外的な利用の場合は自由に利用できないこともあります(他にも、法定外休日に有給休暇を使うという時には、自由に休暇を取得できない典型例です)。

有給休暇といえども無制約ではないということです。


ゆえに、休暇の申請時期については法的に決められていないわけですから、事後申請だけを禁止するという会社のルールも有効です。



事後的に有給休暇を利用することを禁止したい場合には、

就業規則の中で、

「有給休暇を利用するときは、休暇予定日よりも前に休暇取得の申請をすること。なお、過去に遡っての休暇の利用は認めません(病気や怪我の場合は除く)」(書き方は各会社で工夫して下さい。誤解されず、別解の無い書き方をするのが望ましいです)

と決めておくのも有用ですね。



また一方で、

有給休暇の事後申請を認める余地を残す場合は、


「有給休暇を利用するときは、休暇予定日よりも前に休暇取得の申請をすること。ただし、会社の許可を得た場合は事後の休暇申請を認める場合があります」


と就業規則に書いておくのもアリです。



会社の工夫次第ですね。

山口正博 社会保険労務士事務所
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