book64(2つの平均賃金)


■計算の仕方で結果が変わる。


一般に、有給休暇の時の給与や休業手当を計算する時には、平均賃金を使いますよね。


「直近3ヶ月間の給与総額」を「直近3ヶ月間の日数」で割ると平均賃金が計算できる、というのが
通常の理解だと思います。

これは原則的な計算方法で、「暦で計算した平均賃金」となります。



一方で、ちょっと変わった計算方法もあるんです。

それは、「直近3ヶ月間の給与総額」を「直近3ヶ月間、実際に勤務した日数」で割るという方法です。


これは例外的な計算方法で、「実際の勤務日で計算した平均賃金」となります。




「直近3ヶ月間の日数」と「直近3ヶ月間、実際に勤務した日数」を比較すれば、


「直近3ヶ月間の日数」>「直近3ヶ月間、実際に勤務した日数」という関係になりますから、
平均賃金の金額も変わってきますよね。


そこで、計算方法が変わると平均賃金も変わる、というのは問題が無いのかが疑問となります。






■どちらを使っても平均賃金。


結論を言えば、どちらの計算方法も妥当な計算方法です。

ですので、片方がOKで、もう片方がNGということにはなりません。



最近よく使われている雇用安定助成金の場合には、なるべく会社の支払額が多い方が有利ですから、
「直近3ヶ月間、実際に勤務した日数」を使って、休業手当を支給する方が良いかもしれませんね。


労働基準法の場合、
会計のように、継続性の原則(1つの会計処理方法を選択したら、原則として途中でその処理方法を変えてはいけないという原則)が求められていませんから、
その場その場で平均賃金の計算方法を都合良く変えてしまうこともできてしまいます。


ただ、社員さんの不利益にならないならば、計算方法を変えるのも差し支えありませんが、もし不利益になる場合には避けなければいけないかもしれません。



今回だけ、「直近3ヶ月間、実際に勤務した日数」を使って計算して、
その後は、「直近3ヶ月間の日数」を使って計算すると、社員さんとしては
「何で金額が変わるんですか?」と不満を持ってしまいますからね。


ゆえに、平均賃金の計算方法も、継続性の原則を援用して、1つの方法に統一するのが良いのかもしれませんね。

山口正博 社会保険労務士事務所
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