book53(来月退職する人にも有給休暇は付与すべし)


■もう退職するのだから、有給休暇を減らす?


ある会社に、有給休暇の付与日が4月1日の社員さんがいるとします(今現在の時間はは4月1日とします)。

さらに、この社員さんは、5月の末日で退職すると仮定します。

また、勤続期間は4月1日でちょうど1年6ヶ月です。



この場合、会社はこの社員さんにどの程度有給休暇を付与すれば良いでしょうか。



「1年6ヶ月だから、11日の有給休暇を付与すべきだ」と考えるのか、


それとも、

「もう退職するんだから、有給休暇は減らす(もしくは無し)」と考えるのか。


どちらでしょう。



そこで、来月いっぱいで退職する社員さんに対して、あえて今月に有給休暇を付与すべきかどうかが疑問となります。







■「過去の」勤務期間と出勤率を基準にしているのが有給休暇。


結論を言えば、前者が正解です。


なぜならば、「将来の勤務予定」によって有給休暇の内容は変更されませんので、たとえ来月いっぱいで退職することが
確実であっても、有給休暇は通常通りに付与すべきとなります。


確かに、「もうすぐ退職する社員さんに有給休暇を通常通りに付与するのは、何となく腑に落ちない」と感じることもあるのでしょうね。

たとえ付与するとしても、日数を減らして付与するという対応をしたいと考える場合もあるようです。



しかし、有給休暇を付与するかどうかの基準は、「過去の勤務期間」と「過去の出勤率」という2点にあります。

つまり、過去の勤務実績を考慮して、有給休暇を付与したりしなかったりするわけです。


ゆえに、休暇を付与した後、間もなく退職することが確実であっても、有給休暇の日数を減じたり、休暇自体を付与しないという対応は正しくありません。



「有給休暇は過去のデータを基準に付与される」

ということを覚えておいてください。

山口正博 社会保険労務士事務所
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