book52(タイムカードを打刻するタイミング)


■どこからどこまでが勤務なのか。


始業時には、いつの時点からタイムカードを打刻するのか。

また、

終業時には、いつまでにタイムカードを打刻するのか。


タイムカードを使って時間管理していると、この打刻時期について悩むことがありますよね。



労働基準法では、「使用者の指揮命令下にある状態」が勤務時間と判断されるわけです。

労働基準法の判断基準はこの程度しかありません。


ですから、現場で働く人が悩むのも無理はありませんよね。



タイムカードの打刻に関しては、

「始業前の更衣時間や掃除などは勤務時間に含まれるのかどうか」
「終業後の打刻は、更衣前か更衣後か、もしくは退社直前か」

等という点などが問題となります。







■会社に入ってから出るまでが勤務時間なのですが、、、



タイムカードの打刻時期については、
労働基準法を読んでも、具体的な基準がないため困ることがありますよね。

公的な通達を読めば、少しぐらいは手がかりがありますが、それでも十分とは思えません。



となると、

「使用者の指揮命令下にある状態」にあるかどうか、「時間的に拘束されているかどうか」というような点から判断する
しかありません。

いわゆる「実態判断」です。


実際に指揮命令下にあるのか、また、時間拘束されているのかを「実質的に」判断するわけです。




例えば、更衣時間は、


一般に、通常必要と考えられる程度の更衣ならば勤務時間に含めない、という判断をしても差し支えないようです。

エプロンを着ける、社用のジャケットを着る、白衣を着る(料理を担当する人など)、長靴を履く、、、

などは勤務時間に含めないのが「一般的」です。



しかし、「一般に」という判断ですから、法的に厳密とは限りません。

更衣時間を勤務時間に含めないという扱いをしても、ただちに法違反などとはなりませんが、時間管理上は厳密さを欠いていますよね。


会社に行って、ロッカールームに入って、ゴソゴソと着替えるわけですから、会社の管理下にあることは確かですよね。

ただ、「指揮命令下にあるか」というと、微妙です。


指揮命令下にあると判断するのは妥当ですし、また、指揮命令下にないと判断することも可能ではあります。



現場では、更衣時間を勤務時間に含めないのは「厳密ではないけれども、許容している」のが実情ではないでしょうか。



勤務時間の単位も、以前は30分単位でしたが、今では15分単位が主流ですよね。

ここでも、本来は1分単位で管理するのが正しいのですが、15分というまとまりで管理することを「許容している」わけです。



ゆえに、タイムカードの打刻時期は会社によって違いがあり、他社と自社が異なっていても、その違いが直ちに法違反などと判断されるものではないということです。


一般常識で判断するべき場面なのかもしれませんね。





山口正博 社会保険労務士事務所
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