book46【「ノーワーク・ノーペイ」か「休業手当」、どちらなのか】


■早上がりの場合には休業手当が必要か?


パートタイム社員の方が、

「今日は人手が足りているので、1時間早く終業してください」

と会社から言われたとき、


休業手当(労働基準法26条)は必要でしょうか?


それとも、ノーワーク・ノーペイの原則(働いていないのだから対価も無し)に従って、手当などは不要とすべきでしょうか。



一般に、パートタイム社員さんが会社都合で早上がりしても、何らの手当はないのが通例ですから、問題となりますね。






■会社の都合で早上がりすれば、休業手当が必要になる。


結論から言えば、雇用契約の内容では、契約時間の間は確実に就業できるという約束をしているわけですから、会社都合で早上がりしたとなると、労働基準法26条の休業手当が必要な場面になります。


例えば、1日6時間働くという雇用契約を締結しているならば、その時間は確実に就業させる義務があるわけです。

もし、1日5時間で終業したとなると、雇用契約に違反しますよね。

とすると、1時間早上がりしたならば、休業手当が必要となるはずです。



ただ、実務上は、「早上がりはノーワーク・ノーペイだから、手当は必要ない」という解釈も成り立つ可能性があります。

仕事がないにも拘らず無理に就業させても、会社にとっても社員さんにとっても望ましいことではありませんので、ノーワーク・ノーペイの立場の方が現場に馴染みそうです。

「契約時間の間は就業しなければいけないから、暇でも会社にいるべき」というのは常識的に変ですよね。

無意味に時間拘束するよりも、「やることが無くて暇だから、もう帰れ」と言う方が自然です。



普段から常態的に早上がりしているならば契約違反を指摘すべきなのでしょうが、たまたま偶発的に早上がりした場合には契約違反と判断すべきかどうかは微妙です。



就業時間を契約時間でガチガチに拘束させると、就業時間の弾力性を失わせてしまうという欠点がありますから、私は「早上がりはノーワーク・ノーペイ」の立場を支持します。



山口正博 社会保険労務士事務所
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