book28(小さな会社で有給休暇を取るときの悩み)


小さな会社だと、人も少なく、社員としては有給休暇を取りたくても取れないし、会社としても有給休暇を与えたくても与えられない時がありますね。


■会社としては、「確かに、有給休暇を与えないといけないのは分かってる。与えたくないわけじゃないよ。でも、その人が休むと、他の人も仕事ができなくなるんだよ」

社員さんとしては、「そうは言っても、法律で使えるとされているなら、有給休暇を使いたい」


例えば、社員数8人や10人といった小さな会社の場合、有給休暇を与えたくても与えれない(会社)、有給休暇を取りたくても取れない(社員)、という状況になることが多い。



■こんなとき、有給休暇の買取はどうだろうかと思う。


有給休暇の買取は、「退職した時」や「法定付与日数を超える部分がある時」に限定されている。
ですので、在職中に、しかも法定付与分の有給休暇を買い取るのはダメとなる。


では、会社と社員が個別に合意して、在職中の有給休暇(この場合は法定付与部分とする)の買取を行なったらどうか。

つまり、会社と社員個人が、個別に十二分な合意をした上でならば、在職中の有給休暇買取も可能ではないかと思います。


たとえ外部から判断すると問題ありであったとしても、会社と社員という当事者が納得の上で有給休暇の買取をしたならば、外部の人は止めることはできないのではないでしょうか。


100万円の車を1万円で売り買いするという売買契約も成立させることができるのですから、傍から考えて変であっても、その人達が良いと考えるならば誰も邪魔はできないのかなと思います。



ただ、さすがに、就業規則に、在職中の有給休暇買取についての規定を作ることはできません。
社員全員に買取ルールを適用することはできないでしょう。

「個別に合意した場合」のみにすべきと思います。

また、労働基準法は労働者保護法ですから、当事者の合意があって有給休暇の買取が労働者に不利益にならないならば、労働基準法は適用されないとも考えれます。

合意があるならば、保護する必要が無い、ということです。

労働基準法は強行法規ですから、当事者の意思は関係ないとも思えますが、当事者がそれで良いと決めたことまで禁止する力が労働基準法にあるのかは疑問です。



■有給休暇を使った時は「休み+給与」になりますが、有給休暇を買い取ると「給与のみ」になってしまい休みの分が落ちてしまいます。

ならば、買取の時は、給与に数パーセント上乗せするとどうでしょうか。

有給休暇の給与が10000円ならば、10%上乗せして、11000円とする方法です。
休みの分を評価として乗せるということです。

この上乗せ分については、客観的な決まりはなく、任意で水準を決めることになるでしょう。





山口正博 社会保険労務士事務所
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