book11(退職金は必要不可欠なのか)

 

 

 


最近では、退職金の無い企業もチラホラあるようです。

退職金が無いとするならば、毎月の給与や賞与等に上乗せする仕組みを採用するケースが多いようです。

従来の退職金は、 本当に積み立てているのかは、必ずしも確かではないものでした。
まして、社内で積み立てている場合には、積み立てているどころか、運転資金に使われているケースが殆んどです。

また、実際の退職金額を把握している社員は、果たしてどれ程いるのか分かりません。
退職金規定を読んだことが無い。退職金規定の存在すら知らない。そんな人のほうが多いでしょう。

会社の中には、基本給を異様に低く抑えて、諸手当て(営業手当、皆勤手当など)で補完している所もあります。
なぜ、基本給が低いのか。
それは、退職金の金額に影響するからです。このような会社の場合、基本給と退職金を連動させているため、基本給の水準を高くすると、退職金の水準も高くなってしまうのです。

一方、諸手当の場合は、原則として退職金の計算に組み込まないようになっていますので、いくら高くしても退職金の金額に影響しません。

あまりに基本給の水準が低いと、退職金による社員の囲い込みが強くなってしまいます。
つまり、退職金は基本給の後払いのような性質を帯びますので、早く退職してしまうと、「貯めた退職金」を受け取れなくなるということです。

退職金で繋ぎ止めないと人材が定着しないのならば、その会社の魅力は低いといえるでしょう。
いつでも、辞めて構わない状況に社員を置いて、なお、人材が定着するならば、その会社の魅力は非常に高いと言えるでしょう。

「社員を管理するのは会社ではなく、社員自身である」ということです。

山口正博 社会保険労務士事務所
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