book9 (課長なんだから残業代は無い?)



日経新聞朝刊(2008年1月29日)3面にて、「マクドナルドの店長は管理職に該当しない」との記事がありました。残業代の支払いで、裁判上、 争っていたそうで、不払いの残業代がおよそ750万円(だったと記憶しています)。今回の判例で、このお金は支払われることになります(マクドナルド側が 控訴すれば別ですが)。

ここで気をつけるべきは、「マクドナルドの店長≠管理職」と考えてはいけないということです。マクドナルドの店長であっても、管理職と解釈される場合もあるということです。

管理監督者への残業代不払いというのは、よくあるケースです。例えば、「課長」、「部長」と呼ばれていても、管理監督者に該当したり、しなかったりするの です。「管理監督者」というのは、働く形態や労働時間の自由度、賃金体系によって、「実態的に」判断されます。ですので、課長だから、部長だから、専務だ から、常務だからという形式的な肩書きによって判断はできません。因みに、社長は、管理監督者です(この場合は明白ですので議論の余地はありません)。


「管理監督者」の判断基準は、

1.経営方針の決定に参画しまたは労務管理上の指揮権限を有しているか(業務の内容)。
2.出退勤について厳格な規制を受けず自己の勤務時間について自由裁量を有する地位にある か否か(時間管理の自由度)。
3.職務の重要性に見合う十分な役付手当等が支給されているか否か、賞与の内容が一般社員と比べて優遇されているか(賃金体系の違い)。

以上3点です。

アルバイトの採用をしたり、勤務シフトを組んだりする程度では、労務管理上の指揮権限を有しているとはいえません。ちょろっと役職手当だけ付けて、管理監督者と解するのもダメです。

注意すべきは、「課長以上は管理監督者」というように杓子定規に解釈しないことです。

「形式判断」ではなく「実質判断」です。

蛇足ですが、たとえ管理監督者に該当しても、深夜割増賃金は払わなければいけません(深夜割り増し規定に適用除外はありませんので)。あと、管理監督者で あっても、有給休暇と産前産後の休暇も与えなければいけません。さらに、年俸制であっても、報酬を月額換算した上で、時間外手当や深夜割り増し賃金を払わ なければいけません。

山口正博 社会保険労務士事務所
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