book371(パートタイム社員の社会保険は形式的に判断しない)
■フルタイムの3/4を超えたら絶対に加入??
パートタイム社員が社会保険に加入するかどうかという境目について考えるときには、いつもヤンヤヤンヤと話がこじれます。
フルタイム社員だと、社会保険に加入するかどうかを選択することもないのですけれども、パートタイム社員だと事情が変わるのですね。
通説的な理解としては、フルタイムの勤務時間とパートタイムの勤務時間とを比較して、後者が前者の勤務時間の3/4以上に達していると、社会保険に加入すると判断するという流れです。
いわゆる「3/4条件」というものですが、この3/4条件をどうやって現実にあてはめるかが最大の問題です。
特に、「どの時点で3/4条件をあてはめるか」という時期の判断が客観的に決まっていませんので、人によって結論が変わったりするのです。
■3/4条件はあくまで"目安"。
パートタイム社員の勤務時間がフルタイム社員の3/4以上になれば、「即座に!、絶対に!、社会保険に加入だぁ!!」と考えている人もいるようですが、そこまで厳格な条件でもないのです。
「フルタイムの勤務時間とパートタイムの勤務時間とを比較して、後者が前者の勤務時間の3/4以上に達している」という点がパートタイム社員が社会保険に加入するときの条件ですが、「3/4以上」という部分は、公的には「おおむね3/4以上」と表現されています。
ポイントは「おおむね」という表現です。
「おおむね」とは、「だいたい」とか「おおよそ」という意味ですから、厳格に3/4以上という条件を運用しようという意図は無いと読み取れます。
例えば、会社が繁忙期にさしかかっているときに、パートタイム社員がフルタイム社員と同じぐらいに働いたとしても、そのような一時的な事情だけで社会保険に加入するわけではないのです。
社会保険に加入するときの判断は、「3/4以上」という形式判断も用いますが、「今後、継続的にフルタイム社員と同等程度の勤務時間で仕事していくだろう」という定性的な判断も加味して、総合的に行うものなのですね。
加入するかどうかキワドイとき(勤務時間が月120時間をウロウロするような勤務スケジュールなど)には、「加入するかどうかは会社で判断してください」と年金事務所から言われることもありますから、さほど厳格ではないのですね。こんなときは、会社と社員の間でも、「社会保険に加入しますか? どうしますか?」と相互に確認することもありますよね。
ゆえに、パートタイム社員が社会保険に加入するときは、3/4以上という形式的条件だけで判断しないようにしたいですね。
